地金とは?読み方や意味について
地金ってどんな意味?なんて読むの?”地金”という単語について、意外と理解していない人も多いですよね。
そこでこの記事ではゴールドやプラチナといった貴金属について調べていると度々目にする【地金】について解説したいと思います。
”地金”の読み方は【じがね】
まず始めに読み方について。
”地金”の一般的にじがねと読みます。[ちきん]ではありません。
ただ、ちきんではありませんが[じきん]と呼ぶ場合もあるようです。
なので”金地金”と書かれた場合は【きんじがね】と読みます。
プラチナなら【ぷらちなじがね】、銀なら【ぎんじがね】ですね。
地金ってなに?どんな意味?
読み方がわかったところで、地金とはそもそもどんなものの事を言うのでしょうか?
地金とは、”金属を扱いやすいように溶かして固めたもの”のことです。つまりインゴットバーやのべ棒の事を言います。
厳密には地金とは24金の塊のことを言いますが、現在では”インゴットの日本語訳”といった認識で使用されています。
なので金だけでなくプラチナ地金や銀地金と呼ばれているわけですね。
わざわざ硬い金属を溶かして地金を作る意味ですが、これは別な製品に加工し直す為ということもありますが、保管や管理を行いやすくするという意味でも行われ、また近年は税金対策・節税のために地金化することもあります。
地金を作るには専門の設備と技術を持った業者に依頼する必要があります。
また地金はそのまま売却すると高額な税金を支払うはめになってしまうので、分割加工をしてから売却するのが基本となります。
地金のメリットや特徴について
地金=インゴットにはどんな特徴やメリットがあるのでしょうか?
地金は円やドルといった通貨(お金)と同じく価値のある資産となります。
ですが地金にはこれらの通貨と違った大きな2つのメリットがあります。
金地金の場合を例にして説明しましょう。
金地金の価値は世界共通
まず1つ目は価値が世界共通ということ。
円やドルといったいわゆる通貨の場合、発行している国の信用が下がる(例えば戦争や世界情勢の悪化など)と通貨の価値が変動するリスクがあります。
これは法定通貨という発行元の国の信用を前提に取引されているものだからです。
対して地金は特定の国に属したものではなく世界共通の価値がある実物資産なので、その価値が国によって大きく変わることはありません。
よって上記の法定通貨との違いや、株や債券のように会社や国が破綻してただの紙切れになってしまうという恐れもなく、またインフレにも強い資産となっています。
※ちなみに金地金はその品質が世界的に保証されるために、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)の厳正な審査基準をクリアする必要があります。
LBMAってなに?
値動きも安定しているため、日経平均株価が過去5年で1万円の変動があるのに対し金地金の場合は1000円ほどおよそ10分の1のしか変わっていません。
この価値の安定性こそが1つ目の大きなメリットです。
条件次第で節税or無税にできる
金地金の2つ目のメリットとしては、条件次第で節税できるという点があります。
基本的に個人が金地金の売買で得た利益については「譲渡所得」として確定申告を行う必要がでてきます。
金地金の売却益にかかる税金は、保有期間が5年以内の場合(=短期譲渡所得)、利益から特別控除額50万円を差し引いた金額が課税対象となります。
一方、保有期間が5年超の場合(=長期譲渡所得)は、利益から特別控除額50万円を差し引いた金額の半分が課税対象になります。
金を売却するとどれくらい税金がかかる?
つまり長く保有すれば税金の負担が軽減されるということです。
また、この税金を更に安くする方法もあります。それが地金の小分け分割加工です。
金地金の売却でかかる譲渡所得は、基本的に金のサイズ・重さが高いほど比例して高くなります。
これは単純にサイズや重さが大きくなればそれだけ地金の価値が上がるからです。
小分け分割加工ではその名の通り地金を小さく分割することで一つあたりのサイズ・重さを減らし、売り方によっては無税にできるというもの。
前述した保有期間と組み合わせることで大幅な節税対策になるので、覚えておきましょう。
小分け分割加工のおすすめ店舗
この2つが金地金・プラチナ地金といったインゴットの大きな特徴やメリットです。
やはり一番大きなポイントは価値が変わりにくいということ。
なので資産の一部を地金として持つことで、リスクを分散する効果が期待できるというわけです。
地金にデメリットはある?
資産的にかなり大きなメリットのある地金ですが、一方でデメリットはどうなのでしょうか?
地金のデメリットとしては、保管に手間やコストが掛かってしまうということです。
まず地金本体を保管する必要がありますが、大変価値のある資産なので引き出しなどそのへんにポンと置いておくわけにはいきません。
自宅に保管する場合は盗難や紛失のリスクを考え、それなりにしっかりとした金庫等を購入して入れておく必要があります。
また確定申告のために、合わせて金地金の購入金額や売却金額が掲載された証明書等も保管しておく必要があります。
メリットの点で長く保管することで節税になると言いましたが、保有期間が長くなる場合は地金本体と証明書類を紛失しないよう、管理には十分注意しなくてはいけません。
ちなみに自宅に保管するのが不安な人は、貴金属販売会社の保管サービスや銀行の貸金庫などを利用するという方法もあります。
一般的にはこちらのほうが多いようです。
保管費用としては依頼する企業やサイズ・重さにもよりますが、半年で数千円程度です。
このように保管に関する若干のデメリットはあるものの、この点をきっちりできれば地金は大きなメリットのある資産ということになります。
金地金投資のすすめ
地金にはこのようなメリット・デメリットがありますが、前述したようにメリットのほうが大きい資産です。
中でも金地金の場合は世界共通の価値があるという点や、資産として安定した価値を持つことなど非常に大きな魅力を持っています。
特にインフレになった場合に強く、通貨だとインフレで価値が目減りしてしまいますが金地金は価値が安定しているため、他の資産の目減りを補うことができるというわけです。
将来の保険のためにもある程度金地金に投資・保有しておくことをおすすめします。